株式会社スリーエーコンサルティング

2024年10月31日

【人事必見】話題の「SDGs」を活用して採用活動がうまくいく!?

近年、SDGsは企業の採用活動においてますます重要になっています。学生や求職者の間でSDGsへの関心が高まるにつれ、企業のSDGsへの取り組みは、就職活動における重要な評価基準の一つとなっています。
そのため、優秀な人材を確保したい企業は、SDGsを経営戦略に組み込み、具体的な取り組みを推進することが求められます。

1.そもそもSDGsとは

SDGsは、国連加盟国が一丸となって2030年までの達成を目指す17の目標です。
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語にすると「持続可能な開発目標」です。SDGsとは、地球環境や経済、社会課題の改善を目指して実現すべき具体的な目標のことなのです。


SDGs

 

世界は、気候変動、温暖化、エネルギー問題、貧困、差別、ハラスメント、経済格差の拡大などさまざまな問題に直面しています。

それらを大きく分けると、

  • 環境問題
  • 社会問題
  • 経済問題

の3つに分類することができます。

日本でも、ジェンダー平等の実現、少子高齢化、地域活性化、森林や海洋の環境保全、生物の絶滅危機など様々な問題が発生しています。このまま問題を放っておけば「持続可能な開発」は不可能となり、世界は立ち行かなくなってしまうでしょう。
当然、企業もSDGsへの関与を求められています。SDGsに取り組まなければ、「時代の要請にこたえていない企業」と見なされてしまうでしょう。

2.SDGsに取り組むメリット

(1)企業イメージが向上する

SDGsに取り組み、ホームページなどで発信することで企業イメージ向上を狙えます。もちろん求職者からのイメージ向上も狙えるでしょう。

SDGsに取り組む企業は、「社会責任を果たしている、果たそうとしている」と見なされ、企業イメージアップにつながります。SDGsという先進的な活動を導入することで、革新的な考え方を持つ優秀な人材が引き寄せられるでしょう。SDGsへの積極的な関わりは、人材採用面でも競争力を高めてくれます。

(2)新しいビジネスチャンスにつながる可能性も

SDGsに取り組むことで、新しいビジネスやサービスの創出につながる可能性もあります。
SDGsの取り組みのなかで新しい取引先・パートナー・自治体・大学などの教育機関とつながりが生まれたり、新しいビジネスアイデアが生まれる可能性があるでしょう。
また、SDGsは世界共通の課題であるため、グローバル市場への進出や、海外企業との協業といったチャンスをつかめる可能性もあります。

(3)入札制度での加点対象や融資・補助金の対象になるケースも

県や市などの自治体によってはSDGsに取り組んでいる企業を評価し、入札において加点にしたり、融資を受けやすくしているケースも多くあります。
一度「〇〇県 SDGs」などと検索してみるのもおすすめです。

3.SDGsは17の目標でできている

SDGsは17の目標と169のターゲットで構成されます。まずは17の目標にどんなものがあるか把握するとよいでしょう。

目標1 貧困をなくそう
目標2 飢餓をゼロに
目標3 すべての人に健康と福祉を
目標4 質の高い教育をみんなに
目標5 ジェンダー平等を実現しよう
目標6 安全な水とトイレをすべての人へ
目標7 エネルギーを持続可能に、みんなに届けよう
目標8 働きがいも経済成長も
目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう
目標10 人や国の不平等をなくそう
目標11 住み続けられるまちづくりを
目標12 つくる責任 つかう責任
目標13 気候変動に具体的な対策を
目標14 海の豊かさを守ろう
目標15 陸の豊かさも守ろう
目標16 平和と公正をすべての人に
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

引用元:United Nations Sustainable Development

 

4.SDGsと採用の関係性


SDGsと採用の関係性

 

なぜ学生のSDGsに対する関心が高まっているのでしょうか。
2024年現在では、小学校、中学校、高校の教科書でSDGsが取り上げられており、「大学の授業でSDGsについて詳しく習った」という学生も少なくありません。
その結果、「企業説明会で思った以上にSDGsに関する質問をもらった」という採用担当の方もいるのではないでしょうか。

若年層にとってのSDGsは、自分たちの未来をより良くするための行動指針となります。
これらの目標は、環境問題、貧困、教育、ジェンダー平等など、彼らが直面する可能性のある多くの問題に対処するためのものです。
よって、若者たちの中には、就職先企業にもSDGsへの積極的な取り組みを望む人が少なくないのです。

5.2025卒のSDGsに関する関心は?

2025年卒業の求職者が実際にSDGsに関する認識をどの程度持っているのかという部分を調べているデータがあるので、以下に参照いたします。

「SDGs(Sustainable Development Goals)」の認知率を調べると、「言葉も意味も知っている」と答えた割合は84.0%で、「言葉は知っている」の14.5%を合わせると、認知率は98.5%に上った。」

引用元:25卒、SDGsに取り組んでいる企業だと「志望度が上がる」割合は? | マイナビニュース

つまり、ほとんどの学生がSDGsについて知っており、一般的な教養として身につけている上で就職活動を行っているということになります。さらに、記事では、SDGsに取り組む企業への志望度が7割を超えるという結果が出ています。

このことから、SDGsに関する認知度は非常に高く、就職先を選ぶ上での重要な要素の一つになっていることがわかります。

6.求職者と企業のSDGsに関する視点の違い

求職者と企業の間には、SDGsに対する認識に大きなギャップが存在します。

株式会社i-plugの調査を以下に参照いたします。

企業に対して「採用活動において、SDGsに関連する取り組みを学生へアピールしていますか?」と尋ねたところ、「アピールしている」と回答した企業はわずか31.8%でした。

引用元:23卒学生と企業を対象とした「SDGsへの理解度と就職/採用活動」に関する調査を発表 | NEWSCAST

つまり、7割以上の企業が、SDGsを採用の観点で十分に考慮できていない状況です。

この傾向は、新卒採用だけでなく、中途採用においても同様に見られます。

これらの事実から、求職者の価値観が変化していることを企業は認識し、それに対応した採用活動へとシフトしていく必要があります。

7.人事・採用との関連が深いSDGs目標4つ

先に挙げた17の目標の中で人事や採用との関連が深いであろう目標は、

  • 目標3 すべての人に健康と福祉を
  • 目標4 質の高い教育をみんなに
  • 目標5 ジェンダー平等を実現しよう
  • 目標8 働きがいも経済成長も
  • 目標10 人や国の不平等をなくそう

の5つでしょう。ひとつずつ解説していきます。

目標3 すべての人に健康と福祉を

「すべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」という目標です。
健康診断の実施、産業医の設置、新型コロナウイルスやインフルエンザワクチン接種料金の一部負担、分煙・禁煙対策などもこの項目に貢献する活動になるでしょう。

目標4 質の高い教育をみんなに

「すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」という目標です。
企業が従業員のスキル向上を目的とした研修を実施したり、ビジネスに役立つ資格の取得を補助する取り組みなどが該当するでしょう。

目標5 ジェンダー平等を実現しよう

「ジェンダー平等を達成し、すべての女性および女児の能力強化を行う」という目標です。
男女格差を示す指標であるジェンダー・ギャップ指数で見ると、日本は先進国の中で最低レベルと言われています。つまり、男女格差がまだまだ大きいということです。
企業としては、男女の給与格差をなくしたり、女性を役職登用することなどで貢献できます。

目標8 働きがいも経済成長も

「包摂的かつ持続可能な経済成長およびすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働き甲斐のある人間らしい雇用を促進する」という目標です。
具体的な活動としては、働き方改革の推進、就労環境の改善、障がい者雇用などが挙げられます。

目標10 人や国の不平等をなくそう

「各国内および各国間の不平等を是正する」という目標です。
差別・ハラスメントの防止や、性別や年齢、人種、出自、宗教に関わらず平等な機会を与えることなどが具体的な取り組みとして挙げられます。

8.SDGsを導入方法と流れ

SDGsに関する行動指針である「SDGsコンパス」の5つのステップを参考にするとよいでしょう。

  1. ステップ1 SDGsを理解する
    まずSDGsとは何かを知りましょう。
  2. ステップ2 優先課題を決める
    自社が優先して取り組む課題を決定します。
    可能なら環境・社会・経済の3分野を含むのが望ましいでしょう。
  3. ステップ3 目標を設定する
    具体的な期限や目標数値、KPIなどを設定しましょう。
  4. ステップ4 経営へ統合する
    目標達成のために、それぞれの業務の中でできることを考え実行します。
  5. ステップ5 報告とコミュニケーションを実施
    実施したことを報告し、次の課題や目標を設定しましょう。

9.SDGsに取り組む上で注意したいポイント

(1)はじめから大きい目標を設定しない

「CO2 排出量〇〇万t削減」「廃棄物〇万t削減」「カーボンニュートラル達成」など、素晴らしいですがあまりに大きすぎる目標を設定すると途中で続かなくなってしまう可能性があります。

(2)すべての目標に取り組む必要はない

17の目標すべてを網羅する必要はありません、できることから始めるのが重要です。

(3)SDGsに反した行動をすると大きな代償を払うことになる

SDGsに法的な拘束力はなく、取り組まないからといってペナルティを課されることはありません。
しかし、たとえば従業員の人権を損なうようなことがあったり、ハラスメントが報告されたり、途上国の工場で子供を低賃金で労働させていたり、森林を不当に伐採して利益を上げていたりと、明らかにSDGsに反することが明るみに出れば、お客様や関係者からの信頼を失うことになるでしょう。

10.SDGsの認定登録制度や認証を受けるメリット

県や市などの自治体や、SDGs関連団体によるSDGs認定登録制度があることをご存知でしょうか。
登録できると、オリジナルのロゴマークを使えるようになったり、認定証・認証証をもらえるケースもあります。
ロゴマークを採用ページに載せたり、認定証を企業説明会会場に掲示することで、就活生にSDGsへの関わりをアピールすることができるでしょう。

ただし、採用でアピールできるからといって、表面的な活動をなんとなく行っただけで登録申請するのではなく、本質的な活動を行うことが大前提です。

まとめ

SDGsは、人事や採用とも関係が深いことについて、ご理解いただけましたでしょうか。
SDGsとは、地球環境や経済、社会課題の改善を目指して実現すべき具体的な目標のことです。スリーエーコンサルティングでは、SDGsを支援する3つのプランをご用意しており、貴社の状況に合わせてカスタマイズできます。SDGsの導入や運用についてお悩みがございましたらお気軽にご相談ください。

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