株式会社スリーエーコンサルティング

2024年11月28日

SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」とは?企業の具体的な取り組み事例も紹介

SDGs(持続可能な開発目標)の目標5「ジェンダー平等を実現しよう」は、男女の平等な権利と機会の実現を目指しています。このSDGsの目標5に企業が取り組むことで、多様な人材の活用による革新や、職場環境の改善による従業員の満足度と生産性の向上が期待できます。

1.SDGsとは?

SDGsとは、国連に加盟する全193か国が達成を目指す国際目標のことです。Sustainable Development Goalsの略称で、日本語にすると「持続可能な開発目標」です。

経済、社会、環境の3つの側面にまたがり、持続可能な社会の実現を目指しています。「誰ひとり取り残さない」を基本理念に、17の目標と169のターゲットから構成されています。



2.SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を簡単に解説

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」は、男女の平等な権利と機会の実現を目指しています。

具体的には、以下のような課題を解決することを目指しています。

①女性の教育と雇用機会の拡大

女性が教育を受ける機会を増やし、職業訓練やスキルアップのためのプログラムを提供することが重要です。これにより、女性が高い教育を受け、専門的な職業に就く機会が増えます。また、企業は女性の採用や昇進の機会を平等に提供し、職場でのジェンダー平等を推進することが求められます。

②女性のリーダーシップの促進

政治、経済、社会のあらゆる分野で女性のリーダーシップを促進することが必要です。これには、女性が意思決定の場に参加する機会を増やし、リーダーシップ研修やメンターシッププログラムを提供することが含まれます。
企業や政府は、女性が管理職や役員に就くことを奨励し、リーダーシップの多様性を高めるための方針を策定することが求められます。

③家庭内でのジェンダー・ステレオタイプの解消

家庭内でのジェンダー・ステレオタイプを解消するためには、男女が家事や育児を平等に分担する文化を育むことが重要です。
企業では、育児休暇やフレックスタイム制度を導入し、従業員が家庭と仕事を両立できる環境を整えることが求められます。

④女性の健康と福祉の向上

女性の健康と福祉を向上させるためには、女性特有の健康問題に対する医療サービスの提供や、リプロダクティブ・ヘルス(生殖健康)に関する教育と支援が必要です。
企業は、職場でのハラスメント防止対策を徹底し、女性が安心して働ける環境を提供することが求められます。

⑤ジェンダーバイアスや差別の撤廃

企業や組織は、採用、昇進、給与においてジェンダーバイアスを排除し、平等な機会を提供することが求められます。
また、教育やトレーニングを通じて、従業員の意識を高め、ジェンダー平等の重要性を理解させることが重要です。

そして、この「ジェンダー平等を実現しよう」という目標には、6つのターゲットとAからCまでの具体的な対策が3つ設定されています。

5.1あらゆる場所のすべての女性と女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃する

5.2人身売買や性的搾取、その他の搾取を含む、公的および私的領域におけるすべての女性と女児に対するあらゆる形態の暴力を撤廃する。

5.3児童婚、早期結婚、強制結婚、女性器切除など、あらゆる有害な慣習を撤廃する

5.4公共サービス、インフラ、社会保障政策の提供、および国レベルで適切な家庭内および家族内での責任共有の促進を通じて、無償の介護や家事労働を認識し、評価する。

5.5政治、経済、公的活動のあらゆるレベルの意思決定において、女性の完全かつ効果的な参加と平等なリーダーシップの機会を確保する。

5.6国際人口開発会議の行動計画と北京行動綱領、およびそれらの検討会議の成果文書に従って合意された性と生殖に関する健康と生殖に関する権利への普遍的なアクセスを確保する。

5.A 国内法に従い、女性に経済資源に対する平等な権利、ならびに土地やその他の財産、金融サービス、相続財産、天然資源に対する所有権と管理権を与える改革を実施する。

5.B 女性のエンパワーメントを促進するために、情報通信技術をはじめとする支援技術の利用を強化する。

5.C あらゆるレベルでジェンダー平等とすべての女性と女児のエンパワーメントを促進するための適切な政策と施行可能な法律を導入し、強化する。

引用元:United Nations: Gender equality and women’s empowerment

3.SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」における日本の課題とは?

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に関する日本の主な課題として、以下の点が挙げられます。

①女性の労働参加率の向上

日本では女性の労働参加率が他の先進国に比べて低い傾向があります。特に出産や育児を機に退職する女性が多く、これがキャリアの中断や経済的自立の妨げとなっています。

②管理職・リーダーシップポジションへの女性の登用

企業や政府機関における管理職やリーダーシップポジションに女性が少ないことが課題です。これにより、意思決定の場における多様性が欠け、ジェンダー平等の実現が遅れています。

③賃金格差の解消

男女間の賃金格差が依然として存在し、同じ仕事をしていても女性の方が低い賃金を受け取ることが多いです。この格差を解消するための取り組みが必要です。

④育児・介護の負担の平等化

育児や介護の負担が女性に偏っていることが多く、これが女性のキャリア形成や経済的自立を妨げています。男性の育児休業取得率の向上や、家庭内での役割分担の見直しが求められます。

⑤ジェンダーに基づく暴力の防止

性的暴力や家庭内暴力など、ジェンダーに基づく暴力が依然として深刻な問題です。これらの暴力を防止し、被害者を支援するための法整備や社会的支援が必要です。

これらの課題に対して、企業や政府、社会全体が協力して取り組むことが求められています。ジェンダー平等の実現は、持続可能な社会の構築に不可欠な要素であり、全ての人が平等な機会を享受できる社会を目指すことが重要です。

4.どのような企業が対象となるのか?

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」は、すべての企業が対象となります。ジェンダー平等は、あらゆる業種や規模の企業にとって重要な課題であり、企業が取り組むべき重要なテーマです。企業は、自社の組織内でのジェンダー平等の実現や、サプライチェーンにおけるジェンダー平等の推進など、さまざまな面で取り組むことが求められています。

5.企業の具体的な取り組み事例7選

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に関連して、企業ができる具体的な取り組み事例を以下に紹介します。

①女性のリーダーシップの促進

管理職や役員に女性を積極的に登用し、リーダーシップの機会を提供する。

②柔軟な働き方の導入

テレワークやフレックスタイム制度を導入し、家庭と仕事の両立を支援する。

③ジェンダー平等の教育と研修

社員に対してジェンダー平等に関する教育や研修を実施し、意識の向上を図る。

④育児休業制度の充実

男女問わず育児休業を取得しやすい環境を整備し、育児と仕事の両立を支援する。

⑤賃金格差の是正

男女間の賃金格差を解消するための取り組みを行い、公正な評価制度を導入する。

⑥ハラスメント防止対策

職場でのセクシャルハラスメントやパワーハラスメントを防止するための対策を強化する。

⑦女性のキャリア支援プログラム

女性社員のキャリアアップを支援するためのメンター制度やトレーニングプログラムを提供する。

これらの取り組みを通じて、企業は多様な人材の活躍を促進し、組織の競争力と持続可能性を高めることができます。

6.私たちにもできる身近な取り組み事例7選

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に関連して、私たちにもできる身近な取り組み事例を7つ紹介します。

①教育と啓発

ジェンダー平等に関する知識を深めるための書籍や記事を読む、セミナーやワークショップに参加することで、意識を高める。

②言葉遣いの見直し

日常生活で使う言葉や表現に注意し、ジェンダーに偏見を持たない言葉遣いを心がける。

③家庭内の役割分担

家事や育児の分担を見直し、パートナーと公平に分担することで、家庭内でのジェンダー平等を実現する。

④職場でのサポート

職場でのジェンダー平等を推進するために、女性のキャリア支援やリーダーシップの機会を増やす取り組みに参加する。

⑤ジェンダーバイアスの指摘

周囲で見かけるジェンダーバイアスや差別的な行動に対して、適切に指摘し、改善を促す。

⑥ボランティア活動

ジェンダー平等を推進するNPOや団体の活動に参加し、支援することで、社会全体の意識向上に貢献する。

⑦メディアの利用

ジェンダー平等をテーマにした映画やドキュメンタリーを視聴し、SNSで情報をシェアすることで、広く啓発活動を行う。

これらの取り組みを通じて、私たち一人ひとりがジェンダー平等の実現に向けて貢献することができます。

7.企業が目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に取組む上での課題

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に企業が取り組む際の課題をわかりやすく説明します。

①ジェンダーバイアスの克服

企業は、従来のジェンダーステレオタイプや偏見に対処し、男女の役割や能力に対する偏見を克服する必要があります。

②女性のリーダーシップの促進

企業は、女性がリーダーシップのポジションに就く機会を増やし、意思決定における女性の参加を促進する必要があります。

③仕事と家庭の両立の支援

企業は、男女が仕事と家庭の両立を図りやすい環境を整えることが求められます。育児休暇や柔軟な労働条件の提供などが含まれます。

これらの課題を克服するためには、企業はジェンダー平等に関する教育や研修を実施し、柔軟な働き方を導入し、女性のキャリア支援プログラムを提供することが重要です。

まとめ

SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」は、男女の平等な権利と機会の実現を目指す国際的な目標です。企業においては、女性の教育と雇用機会の拡大、リーダーシップの促進、ジェンダーバイアスや差別の撤廃が求められます。

具体的な取り組み事例として、女性管理職の増加を目指すプログラムの導入、育児休暇制度の充実、職場でのハラスメント防止研修の実施が挙げられます。また、フレックスタイム制度やリモートワークの導入により、家庭と仕事の両立を支援することも重要です。

企業がジェンダー平等に取り組むことで、多様な視点が生まれ、イノベーションが促進されます。これにより、企業の持続可能な成長が期待されます。

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