2023年9月26日
【最新版】企業のSDGs取り組み事例|目的やメリットも解説
SDGsは、「持続可能な開発目標」を意味する言葉で、多くの日本の企業が規模を問わずSDGsの実現に向けた取り組みを行っています。地球の環境と経済の両方が持続可能であることが、豊かな未来を創り出す鍵となります。企業の具体的な取り組み事例を5つ紹介します。
目次
1.SDGsとは何か
SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称で、国連に加盟する193か国が達成を目指す、2016年から2030年までの15年間の国際目標です。
これは、2015年に国連総会で採択された「2030アジェンダ」に含まれている17の目標と169のターゲットからなります。
世界には解決しなければならない問題が山積しています。
世界中で起こっている環境問題、社会問題、経済問題をそのままにしておくと「持続可能な開発」はかなわず、世界は立ち行かなくなってしまいます。私たちはこうした様々な問題を放置しておけない状況になっているのです。
こちらのコラムでもSDGsについて詳しく解説しています。
【初心者向け】SDGsとは?17の目標をわかりやすく解説
2.SDGsの前身「MDGs(ミレニアム開発目標)」とは
MDGs(Millennium Development Goals)は、2000年の国連総会で採択され、2015年までの15年間で達成を目指した8つの開発目標を示しています。
これらの目標は、極度の貧困と飢餓の撲滅、初等教育の全面的な普及、男女平等の推進、児童死亡率の削減、母親の健康の改善、HIV/AIDSやマラリアなどの疾病の予防、環境の持続可能性の確保、そして開発に向けた国際的な協力の強化を含んでいます。
MDGsの期間が終了した後、2016年からはSDGs(Sustainable Development Goals)が開始されています。
3.17の目標は5つのPに分類できる
SDGsの17の目標は、5つPに分類することができます。17すべてを覚えるのは難しいですが、5つのPでよりシンプルにSDGsを理解できるでしょう。
People:人々
目標①②③④⑤⑥
貧困を解決し、健康に
Prosperity:繁栄・豊かさ
目標⑦⑧⑨⑩⑪
経済的に豊かで、安心して暮らせる世界に
Planet:地球
目標⑫⑬⑭⑮
自然と共存して、地球の環境を守る
Peace:平和
目標⑯
争いのない平和を知ることから実現
Partnership:パートナーシップ
目標⑰
みんなが協力し合う
4.企業がSDGsに取り組む意義・目的
新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界は急速に変化しています。
企業やビジネスパーソンは、この変化の波に対応するために、自身の意識を変革し、時代の要求に迅速に対応しなければなりません。
消費者の行動、環境や人権への意識など、多くの面で変化が求められており、これらの変化を理解し、未来を予測する能力が必要となっています。
SDGsへの取り組みがない企業は、時代の要求に応えられない企業と見なされる可能性があります。
かつては売上や利益だけが評価されていましたが、社会の変化に伴い、企業に求められる価値も変わってきています。
5.SDGsは大企業だけが取り組むものではない
多くの大手企業や上場企業は既にSDGs経営を実践していますが、日本の企業の99%以上を占める中小企業の間では、SDGsについての理解がまだ進んでいません。
SDGs経営を推進している大企業は、ビジネスパートナーや下請け企業に対しても同様の取り組みを期待します。
既存の取引関係であっても、SDGsに対する意識が低いと取引を終了する可能性もあります。
また、時代遅れの企業と見なされないためにも、SDGsへの積極的な取り組みが求められています。
6.企業がSDGsに取り組むメリット
企業がSDGsに取り組むメリットは以下の5点でしょう。
①企業イメージの強化
SDGsへの取り組みは、企業の社会貢献活動として評価され、ブランドイメージの強化につながります。
②顧客の獲得と保持
社会的な問題解決に積極的な企業を好む消費者が増えているため、SDGsへの取り組みは新規顧客の獲得や既存顧客の保持に寄与します。
③従業員の意欲向上
SDGsへの取り組みは、従業員が自社の業務に誇りを持つきっかけとなり、意欲の向上につながります。
④採用力の向上
SDGsやサステナビリティについての知識を持つ学生が増えており、そのような学生からの採用力を強化するためにも、企業のSDGsへの取り組みは重要です。
⑤投資家からの評価の向上
ESG投資(環境・社会・ガバナンスを考慮した投資)が増えている中、SDGsに取り組む企業は投資家からの評価が高まる傾向にあります。
7.企業がSDGsに取り組むデメリット
以下のような課題が出てくるでしょう。
(1)コストがかかる
SDGsに取り組むためには、初期投資や継続的な運用コストが必要になります。具体的には以下のようなコストがかかるでしょう。
- 人材育成・教育訓練コスト
- 新たな取り組みにかかるコスト
- 認証取得コスト
- 広報活動コスト
(2)SDGsウォッシュへの注意
SDGsウォッシュとは、企業が自社の商品やサービスがSDGsに貢献しているかのように見せかける行為を指します。
これは、消費者のSDGsに対する関心を利用して商品やサービスを売り込むための手段となっています。
SDGsの取り組みを継続しながら具体性や透明性を保ち、SDGsウォッシュにならないように努めましょう。
8.どのように自社事業にSDGsを組み込むか?
SDGsに取り組むためには、まず自社の事業内容とSDGsの17の目標を見比べ、どの目標が自社の事業と関連が深いのかを見つけることが大切です。
その上で、その目標を達成するために自社が何をすべきかを考え、具体的な行動計画を立てます。
また、SDGsの取り組みは一部の人が行うものではなく、全社員が理解し、参加することが重要です。そのためには、社内での教育や啓発活動も必要となります。
さらに、SDGsの取り組みは一度やったら終わりではなく、継続的に行うことが求められます。
そのためには、定期的に取り組みの進捗状況を確認し、必要に応じて計画を見直すことも大切です。
最後に、SDGsの取り組みは自社の事業だけでなく、社会全体に貢献するものです。そのため、自社の取り組みを積極的に発信し、社会全体のSDGsの達成に貢献することも重要です。
9.企業のSDGs取り組み事例5選
企業によるSDGsへの取り組みは多岐にわたりますが、以下にいくつかの例を挙げてみます。
①環境負荷の低減
製品のライフサイクル全体を通じて環境負荷を低減する取り組み。
再生可能エネルギーの利用拡大、廃棄物の削減やリサイクル、エネルギー効率の良い製品の開発など。
②社会貢献活動
地域社会や発展途上国に対する支援活動。
教育支援、医療支援、災害支援など。
③ダイバーシティの推進
性別、年齢、国籍、障害の有無など多様な背景を持つ人々が活躍できる環境の整備。
女性や高齢者、障害者の雇用促進、育児や介護と仕事の両立支援など。
④サステナブルな製品・サービスの提供
環境や社会に配慮した製品やサービスの開発・提供。
エコ商品、フェアトレード商品、健康や教育に寄与するサービスなど。
⑤サプライチェーンの改善
製品の製造から廃棄までの全過程における社会・環境問題の改善。
労働条件の改善、人権侵害の防止、環境負荷の低減など。
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10.SDGsに取り組む時の注意・ポイント
(1)本質的に取り組むこと
SDGsは企業のイメージアップのためのツールではなく、社会的な課題解決に対する本質的な取り組みが求められます。そのため、表面的な取り組みやパフォーマンスだけでなく、実際に社会課題の解決に向けた行動を起こすことが重要です。
(2)取り組みを発信すること
ホームページやパンフレットで自社の取り組みを積極的に発信し、社会全体のSDGsの達成に貢献することも重要です。
(3)従業員とのコミュニケーション
一部の部署や担当者だけのものではなく、全社的な取り組みとし、従業員への浸透をはかりましょう。
11.SDGsとESG投資の関係は?
SDGs(持続可能な開発目標)とESG投資(環境、社会、ガバナンスを考慮した投資)は、共に企業が社会的・環境的課題に対してどのように取り組んでいるかを評価する指標となります。
SDGsは国際的な目標であり、企業がその達成にどのように貢献しているかを示す一方、ESG投資は企業の経営が環境、社会、ガバナンスの観点から持続可能であるかを評価します。
したがって、企業がSDGsに取り組むことは、ESG投資の観点からも評価され、投資家からの信頼を得ることにつながります。
12.企業の社会的責任「CSR」とは?
CSR(Corporate Social Responsibility)とは、企業が自らの経済的責任だけでなく、環境や社会に対する責任も果たすべきであるという考え方を指します。
これは、企業が社会の一部として、社会全体の持続可能な発展に貢献すべきであるという観点から生まれた概念です。
具体的には、環境保護活動、地域社会への貢献、従業員の福利厚生の向上、企業倫理の遵守、製品の安全性確保などがCSR活動の一部とされます。
これらの活動を通じて、企業は社会からの信頼を得るとともに、自社のブランド価値を高めることができます。
まとめ
SDGsは、「持続可能な開発目標」を意味する言葉です。地球の環境と経済の両方が持続可能であることが、豊かな未来を創り出す鍵となります。
そのため、多くの日本の企業、規模を問わず、がSDGsの実現に向けた取り組みを行っています。