2024年12月24日
健康経営優良法人の「ホワイト500」「ブライト500」とは?何をすれば認定できるのか!
健康経営優良法人ホワイト500/ブライト500とは、経済産業省が推進する健康経営優良法人認定制度において、上位500社に与えられる称号です。具体的には、大規模法人部門では「ホワイト500」、中小規模法人部門では「ブライト500」として認定されます。ホワイト500/ブライト500に認定されるには、多くの企業と競争し、より優れた取り組みを行うことが求められます。
目次
1.健康経営優良法人認定制度とは
健康経営優良法人とは、経済産業省が推進している従業員の健康管理に積極的に取り組む企業に与えられる認定です。
健康診断の実施や健康づくりの取り組み、ストレスチェックの実施など、従業員の健康を維持・向上させるための取り組みが評価されます。
この認定を受けることで、企業の社会的信頼性が向上し、従業員のモチベーション向上や生産性向上、一部自治体では公共調達・公共工事の入札時における加点や、補助金の加点、金融機関・保険会社による優遇制度につながる等のメリットがあります。
2.ホワイト500とは?
⑴ホワイト500とは
「ホワイト500」とは、特に優れた取り組みを行っている大規模法人部門を対象にした称号で、健康経営に関する具体的な施策や実績に基づいて認定されます。
健康経営優良法人2024では499の法人が認定されています。
⑵ホワイト500の認定要件
ホワイト500の認定基準は通常の大規模法人部門の認定要件に追加で以下の項目が必須項目となります
- 従業員パフォーマンス指標及び測定方法の開示
- トップランナーとして健康経営の普及に取り組んでいること
引用元:健康経営銘柄2024選定基準及び健康経営優良法人2024(大規模法人部門)
ただ単に項目の内容を満たすだけではホワイト500を認定することは難しいです。
より良い取り組みをした上位500社に与えられる認定なので、他社の事例も参考にしながら取り組んでいく必要があります。
3.ブライト500とは?
⑴ブライト500とは
「ブライト500」とは、特に優れた取り組みを行っている中小規模法人部門を対象にした称号です。
健康経営優良法人2024では499の法人が認定されています。
⑵ブライト500の認定要件
健康経営優良法人の認定要件は「①~③のうち2項目以上」「④~⑦のうち1項目以上」「⑧~⑮のうち4項目以上」ですが、
ブライト500の認定要件は「①~⑮のうち13項目以上」となっています。
健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)認定要件
引用元:健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)認定要件
4.ホワイト500/ブライト500に認定されるメリット
(1)企業イメージ向上
ホワイト500/ブライト500に認定されるためには通常の健康経営優良法人よりもより優れた取り組みをする必要があるため、企業が従業員の健康や職場環境の改善に積極的に取り組んでいることが証明されます。
これにより、営業面や採用面で良い影響が期待されます。企業の信頼性やブランド力が向上し、取引先や顧客、求職者に対して良い印象を与えることができます。
非財務指標でも、信頼できる企業として認識されることで、新規顧客の獲得や既存顧客との関係強化が期待できます。
(2)投資家などからの評価向上
ホワイト500/ブライト500を目指す企業はESG(環境・社会・企業統治)を重視する投資家にとって魅力的な投資対象となります。
ESG投資は、企業の持続的成長と社会的責任を結びつける重要な要素であり、ホワイト500の取り組みがその一環として高く評価されるからです。
現在、ESG投資は世界的な潮流となっており、企業の長期的価値を評価する基準として広く受け入れられています。
ホワイト500/ブライト500はESG投資の「社会」や「ガバナンス」に含まれ、投資家にとって重要な判断要素の一つです。多くの投資家は、ESG要因が企業価値を高めると考えており、ESG投資の市場は今後も活性化し続けるでしょう。
ホワイト500/ブライト500は、企業が人的資本に投資し、持続的成長を目指していることを可視化するものであり、投資家から高い評価を受けるでしょう。
このように、ホワイト500/ブライト500は、企業のESG評価を向上させ、ESG投資家からの関心を高める要素として非常に重要です。
(3)従業員を巻き込んで取り組むことができる
ホワイト500/ブライト500を目指すためには、他社を上回る優れた取り組みが求められるため、必然的に従業員を巻き込むことが必要です。そのため、企業全体に明確な方向性を示し、健康経営の重要性を従業員に浸透させることが重要です。これにより、従業員は企業の取り組みに共感し、自分たちの健康や働きやすさが重視されていることを実感します。
また、認定に向けた具体的な行動計画が策定されることで、従業員は自分の役割を理解し、積極的に関与するようになります。さらに、取り組みの成果が可視化され、評価されることで、従業員のモチベーションが向上しやすくなります。
これらの要素が組み合わさることで、企業は従業員を巻き込みながら、効果的にホワイト500の目標に向かって進むことができます。
5.ホワイト500/ブライト500認定を受けるためには
まず、ホワイト500には明確な基準がありません。そのため、絶対評価ではなく相対評価となります。
ではどうすればホワイト500を認定できるのかと言いますと、各項目の取り組み偏差値を上げる必要があります。
毎年認定結果が公表される際にフィードバックとして各認定要件の偏差値が発表されます。
他社と比べてより具体的に取り組むことで偏差値を向上させることができます。
一つ傾向としてあるのはホワイト500を認定している企業のほとんどが認定要件の全項目の基準を満たしていることです。
最低限全認定要件を満たしたうえで取り組み内容の偏差値を上げていく計画を立てる必要があります。
また、目先の利益だけでなく、長い目で計画を立てる必要があります。
そのうえで組織全体での健康意識の向上や社内コミュニケーションの活性化が不可欠です。
さらに、定量的なデータや実績を示し、取り組みの透明性を高めることも重要です。
ホワイト500の認定は、これらの要素がバランスよく組み合わさった企業に与えられるものです。
6.まとめ
健康経営優良法人ホワイト500とは、企業が従業員の健康管理に積極的に取り組み、より良い取り組みをすることで認定される制度です。
この認定を目指すためには、組織全体での健康意識の向上や取り組みの透明性を高めるための努力が不可欠です。
ホワイト500の認定は、これらの取り組みが企業文化として浸透し、従業員の満足度や生産性の向上に寄与している企業に与えられます。
ハードルは上がりますが長期的にみると企業にとっていい影響しかないので皆様目指す準備を進めていきましょう。