2024年11月22日
【建設業の方必見】健康経営優良法人の認定が入札加点になっている!?
健康経営優良法人の認定が入札加点条件となっている地域が増えてきています。
健康経営優良法人認定での入札加点の配分点数は地域によって違いますが、ISOの点数を上回っている地域も存在します。特に建設業においては、受注拡大が期待できるため、早めに取り組みはじめることをおすすめします。
目次
1.健康経営優良法人とは何か?
(1)健康経営優良法人とは?
健康経営優良法人とは、経済産業省が推進している従業員の健康管理や人事労務周りの整備に積極的に取り組む企業に与えられる認定です。
健康診断の実施や健康づくりの取り組み、ストレスチェックの実施など、従業員の健康を維持・向上させるための取り組みが評価されます。
この認定を受けることで、一部自治体では公共調達・公共工事の入札時における加点や、補助金の加点、金融機関・保険会社による優遇制度につながる等のメリットがあります。
詳しくは下記の記事に記載しています。
(2)健康経営の取り組みがもたらすメリット
メリットは本記事に記載している入札での加点以外にも補助金の加点、金融機関・保険会社による優遇制度など他の認定と比べても多いと言われています。
メリットについて詳しくは下記記事に記載しています。
(3)健康経営が注目されている理由
健康経営が注目される理由は社会の変化やSDGs、ESG投資の機運の高まり、そしてコロナ禍などによる影響があります。
従業員の健康を守ることを重視する従来の健康経営も、社会の変化に合わせてしくみを変えていく必要があります。
2.建設業界における健康経営の重要性
健康経営への注目が高まる中、建設業界でもその重要性が高まっています。特に、入札加点制度において健康経営が評価される地域が増えており、企業にとって大きなメリットとなっています。
建設業界は、他の業種に比べて労働環境が厳しく、従業員の健康管理が重要です。健康経営を導入することで、従業員の健康を守り、労働生産性を向上させることができます。これにより、企業全体のパフォーマンスが向上し、競争力が強化されます。
さらに、健康経営の認定企業数において、建設業が業種別で1位となっていることも注目すべきポイントです。これは、建設業界が健康経営に積極的に取り組んでいる証拠であり、他の企業にとっても良い手本となります。
健康経営を推進することで、建設業界全体のイメージ向上にもつながります。従業員の健康を大切にする企業は、社会的な評価も高まり、優秀な人材の確保にも有利です。
このように、建設業界における健康経営の重要性はますます高まっており、企業が持続的に成長するためには欠かせない要素となっています。
3.入札加点制度とは?
健康経営優良法人について、多くの地域が入札参加資格もしくは総合評価での加点になっています。
地域によっては各自治体が独自で出している健康経営認定制度が入札の加点対象となっている事も少なくはないです。
詳しくは次の項目で記載しています。
ただ、まだ入札加点になっていない地域も複数あります。
ですが、その地域の企業でも入札加点になった時に備えて早くに取り組み始め、備えている企業も増加傾向にあります。
4.健康経営優良法人認定による入札加点の自治体事例
ここでは現在既に入札加点対象になっている地域について共有をさせていただきます。
以下の一覧が現状入札加点対象となっている地域です。
北海道
都道府県 | 市区町村 | 制度名 | 加点数 | 入札加点エビデンス |
---|---|---|---|---|
北海道 | 江別市 | 健康経営優良法人 | 3点 | 競争入札参加資格 |
苫小牧市 | 健康経営優良法人 | 5点 | 苫小牧市工事競争入札参加資格 |
東北地方
都道府県 | 市区町村 | 制度名 | 加点数 | 入札加点エビデンス |
---|---|---|---|---|
青森県 | ー | あおもり健康づくり実践企業 | ー | 青森市総合評価落札方式(工事) |
秋田県 | ー | 秋田県版健康経営優良法人 | 5点 | 入札参加資格審査 |
山形県 | ー | 健康経営優良法人 | 5点 | 建設工事等入札参加資格審査基準 |
山形市 | 健康経営優良法人 | 5点 | 競争入札参加者の等級別格付に かかる発注者別評価点 |
|
上山市 | 健康経営優良法人 | 2点 | 競争入札参加資格審査 |
|
福島県 | ー | ふくしま健康経営優良事業所 | 0.5点(総合評価) 10点(入札参加時資格審査) | 工事等入札参加資格審査 総合評価方式 |
関東地方
都道府県 | 市区町村 | 制度名 | 加点数 | 入札加点エビデンス |
---|---|---|---|---|
茨城県 | ー | いばらき健康経営推進事業所認定制度 | 2点 | 建設工事の入札参加資格 |
健康経営優良法人 | 20点 | |||
栃木県 | ー | とちぎ健康経営事業所認定制度 | ー | 栃木県建設工事入札参加資格者における技術評価点数 |
群馬県 | 前橋市 | まえばしウエルネス企業 | ー | 建設工事及び測量建設コンサルタント業務等の競争入札参加資格審査 |
埼玉県 | さいたま市 | さいたま市健康経営企業認定制度 | 10点 | 競争入札参加資格審査において加点 |
東京都 | 大田区 | おおた健康経営事業所認定 | ー | 総合評価落札方式(工事契約) |
豊島区 | 豊島区ワーク・ライフ・バランス推進企業認定制度 | ー | 豊島区施工能力審査型総合評価方式 |
中部地方
都道府県 | 市区町村 | 制度名 | 加点数 | 入札加点エビデンス |
---|---|---|---|---|
新潟県 | 新潟市 | 新潟市健康経営認定制度 | シルバー5点 ゴールド10点 | 入札参加時資格審査 |
ー | にいがた健康経営推進企業 | 5点 | 建設工事入札参加資格 | |
石川県 | ー | いしかわ健康経営宣言企業 | 5点 | 建設工事入札資格申請時の加点 |
長野県 | 松本市 | 健康経営優良法人 | 1点 | 建設工事における総合評価 |
静岡県 | 富士市 | ふじのくに健康づくり推進事業所宣言 | ー | 富士市建設工事競争入札参加資格における格付評価項目の加点対象 |
浜松市 | 健康経営優良法人 | 最大0.9点 | 総合評価落札方式の競争入札(特別簡易1・2型) 物品購入・業務委託 |
|
三島市 | 健康経営優良法人 | 10点 | 三島市建設工事競争入札参加者の格付 | |
藤枝市 | 働きやすい職場環境認定事業所制度 | ー | 藤枝市総合評価落札方式(特別簡易型)による入札の評価点の加点 | |
愛知県 | ー | 愛知県健康経営推進企業 | 10点(入札参加資格審査) | 総合評価競争入札、企画競争(随意契約)又は入札参加資格審査 |
豊橋市 | とよはし健康宣言事業所 健康経営優良法人 | 0.5点 | 豊橋市の総合評価入札制度 | |
東浦町 | 健康経営優良法人 | 2点 | 東浦町 総合評価落札方式① 東浦町 総合評価落札方式② |
近畿地方
都道府県 | 市区町村 | 制度名 | 加点数 | 入札加点エビデンス |
---|---|---|---|---|
兵庫県 | 尼崎市 | 健康経営優良法人 | 5点 | 主観数値加算 尼崎市建設工事簡易型総合評価落札方式試行要綱 |
和歌山県 | ー | わかやま健康推進事業所 | 5点 | 入札参加資格審査 |
中国地方
都道府県 | 市区町村 | 制度名 | 加点数 | 入札加点エビデンス |
---|---|---|---|---|
山口県 | ー | やまぐち健康経営企業 | 5点 | 山口県の建設工事等入札にかかる評価項目として登録可能 https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/uploaded/attachment/67049.pdf https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/uploaded/attachment/67049.pdf |
四国地方
都道府県 | 市区町村 | 制度名 | 加点数 | 入札加点エビデンス |
---|---|---|---|---|
高知県 | ー | ワークライフバランス推進企業認証制度 | 20点 | 高知県建設工事競争入札参加資格審査 |
九州地方
都道府県 | 市区町村 | 制度名 | 加点数 | 入札加点エビデンス |
---|---|---|---|---|
福岡県 | ー | ふくおか健康づくり団体・事業所宣言 | ― | 競争入札参加資格審査 |
佐賀県 | ー | さが健康企業宣言 | 3点 | 佐賀県建設事業者施行能力等級評定 |
長崎県 | ー | 長崎県健康経営推進企業 | 5点 | 長崎県建設工事入札参加者格付 主観点 |
鹿児島県 | 奄美市 | 健康経営優良法人 | 5点 | 建設工事入札参加資格(市内業者)における加点 |
沖縄県 | ー | うちなー健康経営宣言 | 5点 | 入札参加資格審査 |
5.健康経営優良法人認定の具体的な流れ
⑴「健康宣言」に参加する
会社が加入している協会けんぽなどの医療保険者が実施している「健康宣言」に参加する事が必須になっています。
⑵自社の現状把握をする
「健康宣言」の申し込みが終われば、認定要件に沿って自社の現状把握をすることが必要です。
⑶取り組みの計画を立てる
現状把握をし、現状実施できていない項目が分かれば今後実施していくための計画を立てます。
⑷エビデンス資料の作成・保管
取り組みの現状、計画が終われば次にエビデンス資料の作成になります。
⑸評価・改善
今年度の取り組みを振り返りましょう。
⑹申請書の作成
指定された様式の申請書作成を実施します。
⑺申請の手続きへ
自社の取り組み状況を申請書へ記入し、ファイルをアップロードすれば完了です。
ここでは簡単に説明しましたが、詳細については以下の記事をご覧ください。
6.まとめ
この記事の通り、健康経営優良法人について現在建設業ではかなりの注目を集めています。
理由として大きいのが入札加点になっているということです。今入札加点になっていなくても今後加点になってくる可能性はどこの地域も高いです。その時に備えてなるべく早くに動き出し認定を目指すことをおすすめとします。
計画を立て、余裕をもって取り組みましょう。