2023年7月13日
建設業の方必見!SDGsに取り組むことで入札加点になる自治体があることをご存知ですか?
多くの自治体で、県・市が運営する「〇〇県SDGs登録制度」「〇〇市SDGs認証」といった登録や認証を取得すると入札加点になります。中には、10点や8点の大きな加点になる地域もあります。まずは、御社の所在している県や市がSDGsの登録制度を行っているか調べてみましょう。
目次
1.SDGsとは
SDGs(Sustainable Development Goals)は、「持続可能な開発目標」と訳され、国際的な持続可能性に関する目標です。2015年の国連サミットで採択され、193の国連加盟国が共同で取り組むべき目標として設定されました。
具体的には、貧困や飢餓の解消、健康や教育の向上、産業や経済成長の促進、気候変動対策やジェンダー平等、持続可能な都市と社会の構築、海洋や陸上生態系の保護など、広範囲にわたる全17の目標(Goals)と169のターゲットが設定されています。
SDGsの目指す2030年までに持続可能な世界を創出することを目標に、各国政府だけでなく、企業や市民団体も含めた多様なステークホルダーが参画して、協力して取り組むべき課題となっています。
2.SDGsに取り組むことで入札加点になる地域はどこ?
すべての地域でSDGs導入で入札加点になるわけではありません。
しかし、多くの自治体が、県・市が運営する「〇〇県SDGs登録制度」「〇〇市SDGs認証」といった登録や認証を取得することで入札加点としています。
自社がSDGs導入で入札加点になるかどうかは、まず
「〇〇県 SDGs 入札」
「〇〇市 SDGs 入札」
などと、会社・拠点のある地域を入れてネット検索してみてください。
2023年6月現在、入札加点の対象となっている地域を以下に挙げていきます。中には10点や8点の加点になる地域もあり、見逃せません。
【東北地方】
- 秋田県SDGsパートナー登録制度
【関東地方】
- とちぎSDGs推進企業登録制度(栃木県佐野市)
- 埼玉県SDGsパートナー登録制度
- さいたま市SDGs認証企業(埼玉県さいたま市)
- 横浜市SDGs認証制度”Y-SDGs”(神奈川県横浜市)
- かわさきSDGsパートナー(神奈川県川崎市)
- さがみはら SDGsビジネス認証制度(神奈川県相模原市)
- 長野県SDGs 推進企業登録制度
【中部地方】
- 新潟県村上市
- ふくいSDGsパートナー(福井県)
- なごやSDGsグリーンパートナーズ(愛知県名古屋市)
- とよたSDGsパートナー(愛知県豊田市)
【近畿地方】
- 京都SDGsパートナー制度(京都府京都市)
【中国地方】
- 岡山市SDGs推進パートナーズ(岡山県岡山市)
【九州地方】
- 福岡県SDGs登録制度
- 福岡市Well-being&SDGs登録制度(福岡県福岡市)
- 熊本県SDGs登録制度
- おきなわSDGsパートナー(沖縄県)
これらの認証・登録制度は、申請受付期間や申請方法、難易度がそれぞれ異なります。
申請のためにかかる費用はありません。基本的に無料です。
3.どうすれば入札加点になるのか
各自治体の運営する「SDGs登録/認証制度」に申請し、登録完了もしくは認証取得できたら入札加点の対象となります。
自治体によっては、申請から完了まで数か月かかるものもありますので、スケジュール詳細を確認しましょう。
4.SDGsに取り組むメリット
「入札で加点対象になる」以外にも、SDGsに取り組むメリットは多くあります。
(1)企業イメージの向上
SDGsへの取り組みは、企業が社会的な課題と向き合い、持続可能な未来をつくることに貢献しているというポジティブなイメージを築くことができます。
これは、顧客や投資家にとっても好感を持たれる要素であり、ブランド価値を向上させることが期待できます。
(2)新しいビジネスチャンスの獲得
SDGsへの取り組みを通じて、企業は顧客やビジネスパートナー、投資家から高い評価を受けることができ、ビジネスチャンスや資金調達の機会が拡大されることが期待できます。
また、自治体によっては、融資や補助金の対象となるケースもあります。
(3)優秀な人材の採用
SDGsへの取り組みは、企業が社会貢献や環境問題に意識的であることを示しており、優秀な人材を引き付ける要因となります。
また、働いている従業員のモチベーションや会社への誇りを高めることも期待できるでしょう。
5.企業がSDGs導入する流れ
企業がSDGsに取り組む際の一般的な流れは以下の通りです。
①SDGsへの理解と認識を深める
企業は、SDGsの背景や目的、17の目標について理解を深めます。また、国連加盟国が目指す2030年の持続可能な世界と関連する取り組みの意義を把握します。
②事業との整合性を検討
自社事業とSDGsがどのように関連し、どの目標に取り組むべきかを検討します。主要な関連分野や自社の強み・弱みを評価し、優先すべき目標を選定することが重要です。
③SDGsに関連する目標・KPIを設定
優先的なSDGs目標に対して、具体的な目標・KPIを設定し、その達成に向けた取り組みを明確にします。目標設定にあたっては、ステークホルダーとのコミュニケーションも重要です。
④組織体制を整える
SDGsに取り組むための組織体制を整え、経営層から現場まで関連部署が連携できる体制を構築します。
⑤研修・教育プログラムの導入
従業員にSDGsに関する理解を深めるための研修や教育プログラムを導入し、SDGsの意義や取り組み方などを伝えます。
⑥取り組みの実施
設定した目標に沿って、具体的な取り組みを計画・実施し、業務を通じてSDGsへの取り組みを推進します。
⑦モニタリングと評価
取り組みの成果や効果を定期的にモニタリング・評価し、改善点や課題があれば改善策を検討・実施します。
⑧報告・コミュニケーション
内外のステークホルダーに対して取り組み状況や成果を報告し、積極的に情報発信・コミュニケーションを行います。これにより、企業のブランディングや信頼性向上、ステークホルダーとの良好な関係構築につなげます。
企業規模や事業内容によっては、流れや取り組みの規模・方法が異なることもありますので、自社にあった戦略を立てましょう。
6.SDGsに取り組む際の注意点、ポイント
企業がSDGsへの取り組みを開始する際に注意するべきポイントは以下の通りです。
(1)短期的な利益だけを求めない
SDGsは持続可能な開発を目指すものなので、短期的な利益を追求するだけではなく、長期的な視点で環境・社会・経済のバランスを重視することが大切です。
(2)グリーンウォッシュング/SDGsウオッシュの回避
環境や社会への取り組みを単なる宣伝材料として利用するのではなく、実際に効果的な取り組みを行い、プロセスや結果を透明性をもって情報発信しましょう。
「SDGsに取り組んでいる」と宣言しておきながら実態が伴っていない状態のことをSDGsウオッシュと呼びます。
(3)独自性と適切性を考える
自社の業界や事業内容に合った適切な目標を設定しましょう。一概に全業界で共通の目標を設定するのではなく、自社が持つ強みや価値を活かした取り組みが求められます。
(4)効果測定と評価をおこなう
SDGsへの取り組みにおいては、定期的に効果測定・評価を行い、その結果を活用して目標達成に向けた改善策を立案することが大切です。継続的にPDCAサイクルが回っている状態が理想です。
7.スリーエーコンサルティングによるSDGsサポート
スリーエーコンサルティング(認証パートナー)は、企業がSDGsを導入する際やその後の運用を月額3万円〜サポートしています。
「何から始めたらいいか分からない」「どんな活動が効果的なのか悩んでいる」「忙しくてSDGsに割ける時間が少ない」といったお悩みがある場合は是非一度スリーエーコンサルティングの無料相談をご利用ください。
コンサルタントは専門的な知識を持っており、効果的にSDGsに取り組むためのアドバイスができます。もちろん入札加点のための認証や登録についても事例紹介させていただきます。